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家庭とのバランス重視という働き方

現在、私はパートタイマーとして、週5日、1日3時間半~6時間で経理事
務の仕事をしています。いろいろな事情から、今のところ扶養控除内で働く
という選択肢を選んでいます。フルタイムで働いている女性からは、悪名高
き扶養控除内......こういう場では、「結局、甘いよね」という冷たい視線を
感じて、正直なところついつい声が小さくなる思いです。

しかし、今の自分の望む働き方と会社との折り合いのついたところがこの状
況と、前向きにプライドを持って働いています。

「働く」とひとくちに言っても、形態はさまざま。職場に求める条件の優先
順位も千差万別と思います。私が、再就職を考えたときに優先順位のトップ
に持ってきたのが「家庭とのバランス重視」という問題。具体的には、時間
に余裕の持てる短時間・または短期間のパート勤務ということでした。

我が家は、夫と子ども2人、台所が別の自分の両親との同居の6人家族。報
酬も賞賛もないけれど、家庭での役割にはそれなりにやりがいを感じ、家事・
育児にしても、どこか自分なりのこだわりがあって、自らの手で経験してや
っていきたいとの気持ちが強くありました。コンサバな社会の風潮やまわり
の期待に応えるというのではなく、自分自身ベースキャンプマネージャーと
しての仕事が好きで性に合っているし、家庭での立場はとにかくONLY-ONEの
存在、自分を活かす道として大切にしたいと考えていました。

再び社会で働きたいという思いはずっとありましたが、元来、無理してがん
ばるということのあまりできないマイペースな性格ゆえ、家庭での時間が削
られるフルタイムの仕事には抵抗があり、復帰の時期ややり方、勤務時間に
こだわっての再就職となりました。

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仕事への復帰は、ふたりの子どもが小学5年生&4年生になったとき。6年
半社員として働いた職場を出産のため退職してから、10年後でした。

自宅のすぐ近くにできた家内工業系の短期パートを皮切りに、「次につなが
る仕事」というのを極力意識しながら仕事を選び、1ヶ月~3ヶ月程度の短
期の仕事を派遣を含めて7回、6社。仕事をしてない時期、資格取得のため
勉強していた時期を含めて2年近くをそういった状態で働いてきました。

短期にこだわったのは、自分のリハビリのため軽い仕事から入りたかったこ
と、いろんな職場を体験することで次の方向を決めたかったこと、ステップ
アップを考えても変なしがらみで辞めにくくなるのがイヤだったこと、子ど
もの夏休みに出来れば家にいたかったこと、などなど。結果的には、この期
間に「自分の働き方」の地固めをすることができて、私にとってはとても有
意義な期間となりました。

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1つ目の職場はTシャツをひたすら畳みタグ付けするという単純作業。10年
ぶりの「外で働く」という感覚を、自分にも家族にも意識づけすることにな
りました。

2社目は、大手宅配業のお中元期事務パート。ここに応募したとき言われた
のが、「履歴書はいりません。長い時間働いてくれる方から優先です」との
ひとこと。パートとはこういうものかと、いろいろ社会勉強できました。

3社目は、かつて働いていた会社の再雇用パートでスポーツイベントの事務
局。求職中は、あちこちに網を張っておくものだと実感。責任もありました
が仕事は楽しく、今後の職種をデスクワークに絞るきっかけになりました。

4社目は、年賀用ポストカードの関連業務。短期のパートが100名以上集
まる職場です。同年代の主婦同士の職場はそれなりの楽しさもありますが、
人間関係がけっこうややこしいと悟りました。

5社・6社目は派遣。「家庭とのバランス」にこだわるがなかなか仕事があ
りませんでした。金融系の外郭団体で単発の営業事務を数日、アパレル系の
会社で決算処理の補助を短期でするにとどまりました。

この経験から、時間的な面でのわがまま通すには、自分のスキルレベルを上
げるしかないと決心。しばらく仕事を中断し集中して勉強、パソコン系の資
格を複数取得しました。

7社目は、3社目の担当者から同じ内容の仕事を直接依頼されました。誠意
を持って丁寧な仕事をしておけばいいことあるものと納得。
・・と、短期パートの簡単な仕事内容と雑感は以上の通りです。

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現在の職場は、3・7社目に行っていた職場の同じフロアーで始まった新会
社。いろいろな要素からぜひその会社で働きたいとの強い思いがあり、新会
社を仕切る立場の方に直接面談、その後履歴書と手紙を送るという売り込み
をしました。10年のブランク直後だったら考えられないことでしたが、数社
で働いた経験と、派遣で求職中の自分自身を冷静にセールスするという体験
がしっかり背中を押してくれた気がします。

売り込みの手紙の中では、家庭とのバランスを重視したいという希望を自分
なりに真摯に伝え、短時間勤務のいくつかの形態を、こちらから提案しまし
た。会社側エクセルでデータの扱える経理実務経験者を探していたことが幸
いし、採用に至りました。短時間勤務についても、「やり方はいくらでもあ
る」と会社側が想像以上の理解を示してくれました。

会社の職種は、プロスポーツチームの運営というちょっと変わり種。総務部
で経理業務と電話対応を担当しています。こちらで働き始めて、1年8ヶ月。
入社当初の「早く帰っちゃうパートさん」から、ひとつひとつ信用をかちえ
て、スタッフの一員として認めてもらっているという自負も出てきました。

短時間勤務でも、評価に値するきちんとした仕事はできるもの、ということ
を、しっかり印象づけ、これから後に続く人たちのためにも、前向きにがん
ばっていきたいと考えています。